トマト栽培圃場の準備

トマト栽培 圃場の準備(耕作・畝立て)

露地栽培トマト

 トマト定植前に行う圃場の準備は、施肥・耕作・畝立て・整地・マルチ張りがあります。基本的にはこの順番で行われますが、耕作者によって変わります。トマトは同じ畝で長期間栽培されるので、土作りは重要になります。また、トマト栽培を行う時期や環境によって畝の高さやマルチの有無がトマトの生育に大きく影響してきます。

 やまひこ農園で行っているトマト定植までの圃場の準備について順を追って紹介します。


畝立て

畝立て

 一般には施肥・耕運の後に畝立てがおこなわれていますが、やまひこ農園では畝立てが最初です。理由は大きく二つあります。施肥・耕運の順番で行われる場合、全層施肥を意味します。この方法では、通路になる部分にも肥料を散布することになります。作物に利用されないばかりでなく、雑草の生長を助けることにもなります。そして、全面を耕運することはどうしても機械の助けを借りなくてはならず、中規模くらいの面積ではその機械を十分使いこなせません。また、耕耘機は小型のものほど馬力がないので、土壌の状態如何では作業効率が期待していたものではないことはよくあります。

 このような理由から、トマトが栽培される畝に重点的に手をかけるため、畝立てを最初に行います。

 トマトの根は酸素を好みます。ハウスでは潅水量を調節できるのでそれほど問題にはなりませんが露地栽培では梅雨と秋の長雨が問題となります。トマトの根が水につかって酸欠にならないように畝はその土地の水はけを考慮して高さや幅を決めていきます。水はけがよい畑は低い畝、水はけの悪い畑では高畝にしていきます。


施肥

 耕作の前に施肥を行います。この時は肥料だけでなく、必要であれば堆肥などの土壌改良資材を散布します。
やまひこ農園でトマトに使用している肥料は、元肥として石灰窒素と塩化カリです。露地の畑には草木灰をいれます。リン酸肥料は追肥でリン安液肥を薄めて施用します。

石灰窒素

 石灰窒素は、硫安や尿素のような窒素肥料と異なり緩効性の肥料です。肥効を長く期待する元肥には最適の窒素肥料です。石灰分も含まれているので土壌酸性化を防ぐ効果もあります。この他、雑草効果や害虫の防除効果などが記載されていますが、それ程期待はしていません。

塩化カリ

 塩化カリは、硫酸カリに比べて土を荒らすと悪評がありますが、水に溶けやすく値段も安いので複合化成肥料や液肥の原料によく使用されています。施用量から見た場合、土を荒らすほどの量を施用することがないので、やまひこ農園では元肥として又は液肥として使用しています。トマトはカリを窒素と同量以上必要とするので重要な肥料成分であります。

草木灰

 草木灰は自作したものです。アルカリ化しやすいハウス土壌には散布しませんが露地の畑には必需品です。ケイ酸や各種微量要素が豊富に含まれているので、降雨で流亡し易いそれらの成分の補給に有効です。草木灰がない場合は、苦土石灰又はケイ酸石灰を使用します。

状態により使用資材は変えていきますが、元肥に使用する資材は上記3種の資材です。

耕作

耕作

 同じ意味で耕起・耕運という言葉がありますが、私は昔から使われてきた「耕作」という言葉を使います。

 耕作は土に鍬の刃を入れ、石や瓦礫を出し、土塊を砕き、草の根を断ち切って出す作業のことを指します。機械では土塊を砕くことしかできませんが人力ではこれらの作業を一度にこなすことができます。もちろん労力と時間がかかるので畝の部分だけに行います。

 人力で作業することは、作業速度の面ではトラクターなどの機械にはかないませんが、土の状態を、時間をかけてよく観察できるので、土壌に関して多くの情報を得られる機会であります。

整地

整地

耕作を行った後畝の表面はでこぼこしています。トマト栽培にはマルチが不可欠なので、畝の表面を平らにします。レーキを使って表面を均し、土塊があったら砕き、石が出てきたら出します。マルチが綺麗に張れるように考えて作業します。

マルチ張り

マルチ張り

 マルチという言葉は、本来は覆うものという意味ですが、現在では土を覆う専用の薄いビニールのことを指します。透明・黒・白などいろいろなタイプがありますが、トマトの夏秋栽培には白黒マルチ(表面が白、裏面が黒)が最適です。

 雑草の発生を防ぎ、土壌表面より水分の蒸散を防ぐことで保水性を高めます。露地栽培では、梅雨などの長雨でも水たまりができないように畝を保護します。

マルチ張り作業

 マルチ張りは、風で飛ばされないようにマルチの端を土で埋めるか、マルチ止め用のペグで固定します。

以上の作業がトマト定植までの準備になります。