時々栽培法について問い合わせのある「オカワカメ」です。
オカワカメは写真で見ると非常に威勢が強くて生長力がある植物と見えますが、実際栽培してみるとそれほどではありません。栽培を始めて2年目、3年目と経過するとかなり強靭な生長力を見せてくれますが、初年度はそこそこです。
これはオカワカメが悪いのではなく、栽培法が悪いのではなく、多年生の植物はすべてそうです。株(地下部)がしっかりしてこないと地上部の生長がわるいのです。一年生作物よりも多年生の作物の方が根張りは上です。多年生の植物を一年生植物と同じように見ること自体が間違いです。
オカワカメの生育に大敵は「寒さ」です。どんなに旺盛な生育をしていても気温が低くなってくると生育は途端に鈍り、0℃を下回ると枯れます。
静岡では地上部が枯れますが地下部が残るために毎年芽を出してきますが、地面まで凍るような激しい寒波がくると株も枯死します。このことから静岡よりも寒い地方ではオカワカメの栽培は非常に効率が悪いと判断します。営利的には完全にダメです。
しかし、緑のカーテンとして利用する場合は少しは可能性があります。問い合わせをうけるに従っていろいろと考えてみましたところ、ひとつ少しは効果的な案が出ましたので紹介します。
それは、露地で栽培していたオカワカメを気温が低下してきた秋に地上部を刈り捨て株を掘り起こし大きな鉢の中に入れて屋内の凍らない場所で冬越しをさせるというものです。
この方法ですと毎年小さい株を植えるよりも生育は早いです。当然むかごを播くよりも効率的です。大きすぎる場合は株分けをしてもよいです。この場合のポイントは、できるだけ大きい鉢を使用することです。(もちろん人力で持ち上げられる程度)。
大きな鉢を使用する理由は、出来るだけオカワカメの株に根をつけることができる点と、土をそれなりに入れることにより土壌水の量を増やすことができことです。そのため地温を低下させる潅水の回数が減らせます。気温が低い時期なのでオカワカメは生育しませんので扱いは楽です。ただ、株を異常な乾燥や凍結温度以下にしないようにしておけばよいのです。
この方法で保存したオカワカメを凍結の心配がなくなった時期に露地へ定植すれば、小さい苗を買ってきて植えるより何倍も早く大きくなり初夏にはそれなりのボリュームになった緑のカーテンが完成します。
どうでしょうかこの方法?。おそらく関東地方では有効な方法だと思います。
一度お試しください。
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